現在開催されている2026 FIFAワールドカップ・アジア3次予選にDF(ディフェンダー)のポジションで召集されている瀬古歩夢選手をご存知でしょうか。
現在スイスの強豪クラブであるグラスホッパー・クラブ・チューリッヒに所属する瀬古選手ですが、元々はセレッソ大阪のユース出身の選手です。
今回の記事では瀬古歩夢選手について、プレースタイルやポジション、今後の可能性についてまとめてみました。
是非最後までご覧ください。
瀬古歩夢のプロフィール
瀬古 歩夢(せこ あゆむ)
本名 | 瀬古 歩夢(せこ あゆむ) |
生年月日 | 2000年6月7日 |
年齢 | 24歳 |
出身地 | 大阪府大阪市大正区 |
身長 | 186cm |
体重 | 81kg |
ポジション | DF(CB) |
所属 | セレッソ大阪ユース 2010-2018 セレッソ大阪 2018-2021 グラスホッパー 2022- |
代表歴 | U-20 2019 U-24 2021 A代表 2023- |
配偶者 | 未婚 |
瀬古歩夢グラスホッパー移籍が話題に
セレッソ大阪の生え抜きだった瀬古選手の、グラスホッパー移籍が話題となりました
瀬古歩夢選手は小学生のころから地元のJリーグクラブ・セレッソ大阪の下部組織に所属しておりましtた。
ゴールデンエイジと言われる年代をセレッソ大阪で過ごし、戦術面、技術面ともにセレッソのサッカーがDNAまで染み込んでいる選手だと言えます。
そんな瀬古歩夢選手は2022年、古巣を離れスイスの強豪グラスホッパー・クラブ・チューリッヒに移籍しました。

国内リーグで最多優勝を誇る競合クラブです
そんな瀬古歩夢選手の移籍は大きな話題となりました。
10年以上過ごしたクラブを離れたからというのはもちろんですが、それ以外にも話題になった2つの要素がありました。
2020年のW受賞でJリーグでの注目度MAX
2020年には、史上4人目の新人賞W受賞という快挙
瀬古歩夢選手が海外移籍を決めたタイミングですが、実は日本国内からの注目度が非常に高まっていたタイミングでした。
その理由として挙げられるのが新人賞のW受賞です。
ルヴァンカップでの活躍が評価された瀬古歩夢選手は、セレッソ大阪史上初のニューヒーロー賞を受賞します。
さらに、Jリーグの方でもベストヤングプレーヤー賞を受賞。
JリーグとルヴァンカップのW新人賞受賞は、歴代4人目と限られた選手しか果たしていない偉業です。
1996年:斉藤俊秀(清水、CB)
2002年:坪井慶介(浦和、CB)
2016年:井手口陽介(G大阪、CMF)
2020年:瀬古歩夢(C大阪、CB)

意外とDFの選手が過半数を占めています
これにより日本国内での知名度・注目度を一気に上げた瀬古歩夢選手。
前年2019年にはU-20日本代表に初召集されていたこともあり、国内Jクラブからのオファーも多くあったのではないかと予想されます。
そんな中、自分を評価してくれる環境が整っていない海外クラブに挑戦したことは、驚きを感じるファンも多かったようです。
同ポジションの相棒・西尾隆矢の存在
異例の若さでセレッソ大阪の守備ラインを守る名コンビ
西尾 隆矢(にしお りゅうや)
本名 | 西尾 隆矢(にしお りゅうや) |
生年月日 | 2001年5月16日 |
年齢 | 23歳 |
出身地 | 大阪府八尾市 |
身長 | 180cm |
体重 | 77kg |
ポジション | DF(CB) |
所属 | FCグラシオン 2009-2013 セレッソ大阪ユース 2014-2019 セレッソ大阪 2020- |
代表歴 | U-23 2024 |
配偶者 | 未婚 |
そしてもう一つの理由が、セレッソ大阪所属の西尾隆矢選手の存在です。
西尾選手は瀬古選手同様、セレッソ大阪ユース出身のDFで、瀬古選手の1個下になります。
そんな瀬古選手と西尾選手ですが、2021年シーズンには当時20歳と19歳という若さでセレッソ大阪のCBとしてコンビを組みました。
サッカーの技術において、攻撃面では身体能力や持久力、守備面では経験が求められることが多いとされています。
これを表すように、若くして才能を表す選手は攻撃面が注目されることが多く、DFやGKはベテランの選手が活躍することが多いです。
実際に世界中のクラブや代表招集を見ても、DFやGKは30代後半で活躍している選手も多い一方で、攻撃の選手は20代後半でピークを過ぎたと言われることも…
そんなDF、さらに守備を専門に行うセンターバックというポジションを20歳前後の2人が任されるというのはかなり異例の出来事です。
しかし、瀬古選手と西尾選手のコンビは年齢を感じさせない冷静さと、逆に若手らしいフレッシュな情熱をもって安定したディフェンスラインを構築。
同年には二人揃っての日本代表招集もありました。

めちゃくちゃ相棒って感じがしますね!
現在サッカーでは、CBの守り方はゾーンディフェンスが主流となっており、守備の受け渡しが重要視されています。
つまり、コンビを組む選手との相性は非常に重要とされております。
瀬古歩夢選手のグラスホッパー移籍は、言ってみれば少年時代から共に成長してきた相棒との別れを決めた移籍だったともいえるのです。
瀬古歩夢は守備の要となるポジション
若手でありながら守備の要として、日本代表の3バックシステムを支えます
現在、日本代表は3バックシステムを採用しています。
SBのポジションを置かずに、CBを3人並べるフォーメーションで、4バックよりも守備力が高くなるというメリットがあります。
一方で、攻撃参加の人数が減ってしまうことや、相手のサイド攻撃に弱くなるという弱点も持っています。
しかし、この2つの弱点をクリアしてくれるのが瀬古歩夢選手なんです。
ビルドアップに定評がある瀬古歩夢
まず攻撃参加について。
4バックシステムの場合、両SBの選手が攻撃参加を行います。
これにより2人のCBは守備を意識し続けることができ、8人の選手が波状攻撃を仕掛けることができるのです。
一方、3バックになるとCBが3人になるので全員が守備のみに集中すると、攻撃の人数が7人になります。
また、DFとMFの間を埋めるSBのポジションが無いことにより、守備意識を強く持ちすぎると最終ラインの前に大きなスペースが生まれることになります。
これを避けるため、3バックの場合はDFラインを押し上げて中盤との連携が必要となってきます。

やることが多くて大変そう
ここで効いてくるのが瀬古歩夢選手のビルドアップ能力です。
瀬古歩夢選手はパスが上手く視野が広い選手として知られており、最終ラインからの攻撃の起点作りが出来る選手です。
瀬古歩夢選手の凄いところは低軌道のロングフィードという武器にあります。
足元に届けるグラウンダーパスや、ふわっとした浮き球ではなく、シュートやセンタリングのような鋭い高速のロングパスで攻撃を始めることが出来る瀬古歩夢選手。
「攻撃の立て直し」という意味でのビルドアップが出来る選手は多くいるのですが、瀬古選手の場合は「チャンスメイク」にすらなってしまう、そんなDFなんです。

3バックでも攻撃に8人かけられますね!
186cmという日本人離れした長身
もう一つの弱点、サイド攻撃に弱くなってしまうという守備面での課題にも、瀬古歩夢選手は大きく効いてきます。
相手にサイド突破を仕掛けられた時に警戒すべき次のプレーとしては、ゴール前へのセンタリングになります。
特に日本人は世界的に見ても低身長の選手が多く、センタリングからの空中戦で得点を奪われることも過去にたくさんありました。

体格の差は埋められないものがあります…
しかし、瀬古歩夢選手は186cmと日本人離れした長身を誇ります。
足元の技術もあるうえに、空中戦にも強い長身CBというわけです。
そんな、攻守にわたって活躍する瀬古歩夢選手だからこそ、今の3バックシステムを採用した日本代表でスタメンを与えられることが増えているのかもしれません。
瀬古歩夢にはゲームメイカーとしての可能性も?
グラスホッパーではボランチ(MF)としての起用も経験
瀬古歩夢選手のプレースタイルとして、チャンスに繋がるビルドアップ・ゲームメイクについて紹介させていただきました。
Jリーグや日本代表ではCBとして守備の要を務める瀬古選手ですが、所属するグラスホッパーではDF層が厚いこともあり守備的なMF(ボランチ、アンカー)としての起用も増えているようです。
移籍後は選手層の厚さに出場機会が少なく、たまにボランチとして起用されていた瀬古選手。
しかし、その活躍が評価されて2023-2024シーズンからはMFとしての出場が多くなっていきました。

海外でのポジションコンバート!
このコンバートは今のところ成功している様子で、ダブルボランチの一角として相方よりも一歩下がったDFよりのポジションを取ることが多い瀬古歩夢選手。
アンカーと言われる役割を務め、長谷部誠選手のような働きをしているようです。
スイーパーというポジション
サッカーのDFにおける役割のひとつに、スイーパーというものがあります。
かつてのCBの守備は1対1のマンマーク戦術が基本だったのですが、特定のマークマンを持たないポジションとしてスイーパーという役割が生まれました。
スイーパーはマンマークをしない特性上、守備時には味方のカバーリングを行い、攻撃時にはパスによるゲームメイクや、前線への飛び出しも行いリベロとも呼ばれておりました。
■有名なスイーパーの選手
フランツ・ベッケンバウアー(ドイツ)
フランコ・バレージ(イタリア)
GKにもゴール以外を守るスキルが求められている
現在サッカーにおいては、3バックシステムを採用するチームが減ったこともあり見かけなくなったスイーパーというポジション。
各ポジションに求められる役割が増えたことも要因だと言われており、
・守備の穴を埋めるセーフティネットとして働き、DFラインの最後尾でストッパーのカバーをする
・ビルドアップで攻撃の起点になる
といったスイーパーの動きは、アンカー(MF)とGKの役割となりつつあります。
現代的なスイーパーは長谷部誠
スイーパーのポジションが消えたという議論がされる際に、名前を挙げられることが多いのが、日本代表でアンカーを務めていた長谷部誠選手。
DFとしてのスイーパーは減っているものの、現代サッカーにおけるスイーパーの役割を卒なくこなしている選手として長谷部選手は世界中から評価されていました。
利き足は両方?ゲームメイクの幅が広がる
瀬古歩夢選手は両利きの選手でもあります。
強烈なパスが武器の瀬古歩夢選手ですが、左右両足からパスが飛び出してくるので相手からしたらたまったもんじゃないでしょうね…
DF以上に密集地帯でのパスが求められるMFというポジションでは、瀬古選手の両利きな点も強みになっていると言えるでしょう。
セレッソ大阪で養われた瀬古歩夢のテクニック
セレッソ大阪出身の選手には、足元のテクニックがある選手が多い
そんな瀬古歩夢選手のビルドアップが鍛えられたのは、セレッソ大阪でのユース時代の練習が大きいのではないでしょうか?
大阪のJリーグクラブといえば、開幕当時からガンバ大阪のイメージが強かった印象。
しかし、2010年頃に日本代表で香川真司選手や清武弘嗣選手、乾貴士選手が大活躍し、日本代表の攻撃に「セレッソ魂」を取り入れました。

セレッソサポーターは選手への愛情が深いイメージで、移籍後も応援し続ける印象です。
日本代表の10番として、ドリブラー・ファンタジスタ的な活躍をする全盛期の香川真司選手は、本田圭佑選手と並ぶ人気選手でした。
そんな中、香川選手が「セレッソに自分より上手い選手がいる」「昔から競ってきたが勝てない」と名前を挙げたのが柿谷曜一朗選手でした。
その後、柿谷選手は日本代表の1トップとして多くの試合に出場し、それまでスタメンを張ることの多かった岡崎慎司選手の「泥臭いストライカー」とは真逆のFWとして日本代表で活躍しました。
・大久保嘉人
・香川真司
・清武弘嗣
・柿谷曜一朗
・乾貴士
・山口蛍
・南野拓実
こう見ると、テクニシャンやファンタジスタと言われる選手が多いのが見て取れます。
DFというポジションで身長にも恵まれた瀬古歩夢選手が、これだけの足元の技術を養うことが出来たのは、セレッソ大阪で育ったことが大きいのかもしれませんね。
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回の記事では、ワールドカップ予選で注目を集める日本代表DF・瀬古歩夢選手についてまとめてみました。
・瀬古歩夢選手は、スイスの強豪・グラスホッパーに所属するDF。
・2020年にはJリーグとルヴァンカップで新人賞をW受賞。史上4人目の快挙。
・セレッソ大阪では弱冠20歳のときに、19歳の西尾隆矢とCBコンビで守備の要に。
・低弾道のロングフィードと、日本人離れした長身で3バックシステムに欠かせない存在。
・10年以上所属したセレッソ大阪で鍛えられたテクニックも魅力。
・現在はボランチでの起用も増え、ゲームメイカーとしても活躍中。
・更に利き足は両方。臨機応変なパスでゲームメイク。
非常に魅力にあふれる選手で、今後のワールドカップ本戦に向けて更に注目が集まるかと思います。
活躍に期待したいところですね!
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