ダイタクは双子なのに、ブラックなネタが魅力?

芸能

M-1出場のダイタクってどんな漫才師?

結成15年、ラストイヤーではじめてM-1グランプリ2024の決勝出場を決めたダイタク。

吉本興業所属、2009年結成のダイタクは、ボケの吉本大(よしもとだい)とツッコミの吉本拓(よしもとたく)、一卵性双生児の双子によるお笑いコンビです。

唯一無二の個性を持つ彼らの漫才は、やはり双子ネタを中心に構成されていると思われがちですが、その漫才は緻密に計算された実力派。

もちろん強みである双子要素はネタの端々に散りばめられているんですが、ネタの設定や本筋はその個性に頼らない「双子以外のコンビでやっても面白いだろうなぁ」と思えるしっかりと作りこまれた台本になっています。

そんな素で面白い台本に対して、ダイタクにしかできない双子スパイスをこれでもかというほど振りかける

それによりどんな実力派漫才師にも真似できない、双子漫才師ですらたどり着けないネタで笑いを取るのがダイタクという漫才師です。

若手漫才師の頂点を決めるM-1グランプリで注目されているタイミングで言うことではないかもしれませんが、将来的には博多華丸大吉のような「巧い漫才師」になっていくんじゃないか、と容易に想像できる腕を持っている漫才師だと感じています。

双子テンプレートを使わない異質なコンビ

双子芸人といえば、双子あるあるをテーマにしたポップなネタが多い印象。

他者に真似できない個性を持っている双子芸人。

基本的に「いるだけで強い絵面」を生み出すことができ、どストレートなあるあるネタや持ちギャグ、定番の進行などで勝負する場合が多いと感じます。

もちろん視聴者側もそういった「分かりやすい双子ネタ」を求めていると感じますし、ダイタクに出会う前の私だってそうでした。

しかしダイタクには、双子芸人によくある「テンプレート」がほとんどありません。

テンプレートが無いどころかネタによってスタイルが全然違う、そんなネタの幅広さもダイタクの魅力だと感じます。

双子というキャラクターがネタの軸になっていないので、逆に言うと面白いと感じたことを全てネタに出来るわけです。

さらに、ダイタクの異質さを上げているのが、弟である拓さんのツッコミスタイル。

彼のツッコミスタイルはネタ序盤では不機嫌系、ネタ終盤ではヒートアップする感じではないものの分類としてはキレ芸系だと言えます。

一方、ボケの大さんはそのようなタイプではありません。

つまり、一卵性双生児の双子という「似ている」という特徴がありなあがら、あえてキャラの差別化をしているんです。

キャラクターが表情に出てくることもあり、ネタの途中では双子であることを忘れてしまう場面もあるほどです。

双子というトップクラスの強個性を持ちながら、その個性に縛られないダイタクの2人はある意味で双子という武器を活かす一つの完成形に到達していると言ってもいいでしょう。

双子らしからぬダークな魅力

様々なネタがあるダイタクですが、私としては「復讐」や「黒い仕事」といったややブラックなテーマのネタが彼らの魅力だと感じます。

前の項目でも書いたように、双子芸人は明るいネタを強みとしている方が多い印象。

そこに対してダイタクのネタではダークなテーマ、それも陰湿な面白さを生み出すものもいくつかあるんです。

こういうネタは後半になるにつれてジワジワと面白くなってくることが多いんですが、そこでは2人の演技力の高さが役に立ってきます。

ここも彼らが実力派と言われる所以だと感じており、台本の上手さや演技力など、ベテラン芸人を評するときに出てくるような言葉を惜しげなく使わせるコンビだと感じます。

そんなブラックな魅力もあるダイタクのネタで、是非見てもらいたいのが「飲食店の経営」という漫才。

序盤は飲食店が流行る理由は「似ているから」という、双子らしさ全開のばかばかしい内容。

それでいて後半になると2人とも口が悪くなっていき、「女はいらねぇ」「蒲田が汚ねぇ」とブラックジョークが連発。

双子漫才の強みと、ダークな魅力、1つのネタでダイタクを丸ごと味わえる満足感の高いネタです。

公式YouTubeチャンネルより

やっぱり双子ネタも面白い

ここまで双子の個性に縛られないダイタクの魅力を語ってきました。

テレビなどでも「双子芸人」と語られることが多いダイタクなので、天邪鬼な私としては「そこだけじゃないよ!」と知ってもらいたいとの思いで書かせていただきました。

最後の項目では、初心に立ち返って「双子ネタ」にスポットを当ててみようと思います。

なんだかんだ言ってもやっぱり双子芸人。

双子にしかできない唯一無二の個性を武器にしたネタも珠玉なのは言うまでもないでしょう。

「出生の秘密」や「一卵性のさしすせそ」などのネタは、設定からフリオチに至るまで双子節全開の漫才となっております。

メディア関係者や視聴者からも双子ネタの需要は高いようで、テレビ番組やお笑いライブの締めなど、ここぞという場面ではこういったネタを披露することが多いように感じます。

双子全開のネタでも、これまでの項目でも語ってきた漫才の地力拓さんの不機嫌ツッコミはもちろん健在。

兄弟喧嘩のような雰囲気も演出しつつ、会場を巻き込んで笑いを取っていく姿は流石としか言いようがありません。

とにかく笑いの引き出しが多いダイタクの漫才、皆さんも是非見てみてくださいね!

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